愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
*eight*
お見舞い
あの日からまた一週間が経った。
人間とは不思議なもので、時間が経てばなんとなく現実を受け止め始める。
ヘンリーさんの事情は理解できたし、納得もした。
でも……母親に会うのが正解なのか、全く見当がつかなかった。
ソファーに座ってぼーっとしていると、蓮が声をかけてくる。
「真梨、隼の見舞い行くよな?」
「あ、うん」
今日は隼のお見舞いに行く日だ。
ヘンリーさんに会いに行く前は二日に一回は行っていたけど、あの日以来行けていない。
あの日以来の休日である今日は、お見舞いに行くと隼に連絡していた。
何かあったのかと隼も心配してくれてるみたいだから、元気な姿を見せに行かなきゃ。
自分が考えていたよりは冷静でいられてるし、元気なつもりなんだけど……。
やっぱりみんなに気を使わせてしまっているし、いい加減ふとした時に考え込むのはやめにしないと。
「何時に出る?」
蓮に確認する。
今は13時。昼食を食べ終えたところだ。
「もう少ししたら」
「じゃあ準備するね」
メイクはいいとしても、目立つから髪と目は黒くしたい。
蓮の部屋に入って準備を始めた。