愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「え……」
「何も、できなかっただろ?俺」
そんなふうに思ってたんだ……。
「そんなこと、ないよ」
我ながら、すごく優しい声が出た。
「隼は、ちゃんと守ってくれたよ」
『俺らの大事な女に手ェ出すなっ!!!!!!』
隼が言ってくれた台詞を思い出す。
すごく、嬉しかった。勇気が出た。
あの時隼がいなかったら、あたしは抵抗することもなかったかもしれない。
あのまま、キョウのものにされてたかもしれない。
「隼がいてくれて、本当によかった」
「ほんと……?」
隼の声が、掠れている。ずっと、気にしていたのかもしれない。
そう思うと、男性にしては華奢なその体を、抱き締めたくなった。
「うん。あの時は本当にありがとう」
「別に……」
すん、と鼻を啜る音がする。
しばらくしてこっちを向いた隼の鼻が赤くて、思わず笑みが溢れる。
「なんだよ」
「ううん、何にも」
かわいいなあ、その言葉は飲み込んだ。