愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「あたし、蓮と出会えてよかった。蓮を好きになってよかった」
右隣の蓮を見つめる。目が合って、微笑んだ。
「蓮……分かってると思うけど、お願いがあるの」
蓮と繋がれた手に、力がこもる。覚悟を決めなきゃ。
自分の過去と向き合う覚悟を、決めなきゃ。
でも……。
「あたしは、弱いから……ひとりは、怖い」
怖い。父親に、ヘンリーさんに会う時だって、相当の勇気がいった。
そして、今度は母親。
母親は、あたしの知ってる母親は……畏怖の対象でしかない。
「あたし……蓮みたいに強くなりたい……。でも、まだまだ弱いから……一緒に、行ってほしい」
まっすぐに、蓮を見つめる。蓮も、あたしを見つめ返した。
「全然強くねぇよ……。けど、そうだな。一緒なら、きっと大丈夫だ」
蓮のあいた右手が、あたしの頬に触れる。冷たい手の感触に、あたしはすり寄った。