愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
小さな顔に映える、パッチリ二重の琥珀色の瞳。
筋の通った高い鼻に、小さく潤った唇。
同じだ……。ずっと醜いと憎んできた、あたしの顔と……彼女の美しい顔は、写真で見るよりもよく似ていた。
血縁者だと、赤の他人でも分かるくらいに。
立ち止まって動けないあたしに、ヘンリーさんがリリーさんの側によって車いすを押してくる。
目の前まで来てみた顔は少し老けてはいるけれどやはり似ていた。
綺麗な瞳から涙がぽろぽろ零れる。
「私、梨里よ。……ごめん……ごめんなさいね、私のせいで、真梨ちゃんにたくさん辛い思いをさせてしまって……」
違う……梨里さんのせいじゃない。
梨里さんだって、好きで交通事故に遭ったんじゃない。好きで目覚められなくなったわけじゃない。好きであたしを手放したんじゃない。
そんなの、今目の前で涙を流す梨里さんを見ればすぐに分かる。
もちろん、ヘンリーさんだって……。あたしを、不幸にしたかったわけじゃない。
みんなみんな、必死に生きた結果がこうだった、っていうだけで……。