愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
朝、目覚める瞬間が好きだ。
今日も蓮がいるってわかるから。
朝、目覚めたときにいる蓮の腕の中が好きだ。
蓮の温もりに安心するから。
当たり前になりがちな光景だけど、だからこそあたしは忘れたくない。
蓮と一緒に目覚める朝が好きなことを。
ゆっくりと目を開くと、目の前に広がる蓮の素肌。
暖かく硬い胸に擦り寄ると、規則正しい鼓動が聞こえる。
あぁ、そうだ。
昨日、あたしはこの胸に抱かれたんだ。
トクントクン、脈打つ鼓動が心地よく、あたしの心臓も同じようにリズムを刻む。
素肌同士が触れ合うのが照れくさいようで、でも気持ちがいい。
こんな安心感を抱くのはきっとこの先、蓮しかいないだろう。
「ん……」
「わっ」
急に腰を蓮の腕に引き寄せられて、上半身が後ろに仰け反って顔が蓮から少し離れた。
「蓮? 起きたの?」
そう問いかけるけれど、返事はない。
蓮の顔を覗き込めば、無防備に目は閉じられていて。
「寝てる……」
まるで子どもみたいに、少し口が開いた状態で寝ている。
なんだか胸の奥が熱くなって、蓮の黒髪を撫でた。