愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「過去形?」
抱き寄せた菜穂の耳元で、囁く。
菜穂の肩が、ピクリと揺れる。
「好きって……過去形なのかよ?」
「たい、が……」
「言えよ。今、菜穂は俺のことどう思ってんの?」
過去なんていらない。
過去の想いなんていらない。
今が欲しい。
今の菜穂の心が欲しい。
「好きだよ、ばかぁ…っ」
堰を切ったように流れ出した言葉と涙。
「バカはどっちだよ…」
力いっぱい抱き締めたら折れそうな華奢な体を、壊れないように、でも強く抱きしめる。
「好きだ、菜穂……」
零れたのは、想いか、涙か。
もしくは――両方か。