愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
何も言わない蓮に、心配になり顔を上げる。
「――蓮…?」
蓮の目に入っている筈の海色のビキニ。
首の後ろで結ぶタイプの肩紐は、フリルがついていて。
変哲のない単色のビキニがたった一つのその違いで全く違うものに見えて気に入っている。
だけど、蓮は気に入らなかったのだろうか。
硬直したように、あたしの呼びかけに反応しない。
「蓮?」
もう一度その名を呼ぶと、やっと気が付いたのかあたしの目を見た。
「お前……」
ポツリ、呟いてあたしをその腕に引き寄せる。
「何よ?」
「あ゛――――……脱がせてぇ」
耳元で囁かれたその一言に、はっ?と間抜けな声が出る。
そして、意味を理解した瞬間顔に熱が集まるのがわかった。
「ばっ、バッカじゃないの?!」
「うるせぇ、こんな格好してる真梨が悪い」
何であたしが悪いの、と唇を尖らせる。
変なこと言う蓮が悪いのに、理不尽だ。
けれど、
「水着、似合ってる」
蓮のその一言で、あたしが悪くても良いかな、って思える。