愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
顔を少しあげると、視界に入る意地の悪い顔。
「顔赤いけど、恥ずかしいのか?」
「違うっ」
「意地張んなって」
「張ってないっ」
そう言い切ったあたしの視線と蓮の視線が絡む。
「ふーん」
納得していない、不服そうな蓮の声を聞いて、視線を落とした。
すると、強い力で引き寄せられた体。
「きゃっ」
いつのまにか、あたしの体は蓮の腕の中だった。
「蓮……?」
あたしの頬が蓮の胸にくっつく。
伝わる蓮の素肌のリアルな感触に、さらに体に熱が篭った。
「怖くねぇから、もうちょっと」
耳元で囁いて、あたしの体を持ち上げた。
「や、ちょ、蓮⁈離してっ!」
子どもにするような抱っこ。
片腕でお尻からあたしを持ち上げて、もう片方の腕であたしの両手を自分の首へ絡ませた。
「〜〜〜っっ」
蓮よりも少し高くなった目線、自分から密着しているような状態。
それらの全てが、怖さよりも恥ずかしいという感情を煽る。
「怖くねぇだろ?」
ニヤリと笑って、上目にあたしを見上げる蓮は、確信犯。
あたしが何も言えないって、きっとわかってる。