愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】




顔を少しあげると、視界に入る意地の悪い顔。




「顔赤いけど、恥ずかしいのか?」


「違うっ」


「意地張んなって」


「張ってないっ」




そう言い切ったあたしの視線と蓮の視線が絡む。




「ふーん」




納得していない、不服そうな蓮の声を聞いて、視線を落とした。


すると、強い力で引き寄せられた体。




「きゃっ」




いつのまにか、あたしの体は蓮の腕の中だった。




「蓮……?」




あたしの頬が蓮の胸にくっつく。


伝わる蓮の素肌のリアルな感触に、さらに体に熱が篭った。




「怖くねぇから、もうちょっと」




耳元で囁いて、あたしの体を持ち上げた。




「や、ちょ、蓮⁈離してっ!」




子どもにするような抱っこ。


片腕でお尻からあたしを持ち上げて、もう片方の腕であたしの両手を自分の首へ絡ませた。




「〜〜〜っっ」




蓮よりも少し高くなった目線、自分から密着しているような状態。


それらの全てが、怖さよりも恥ずかしいという感情を煽る。




「怖くねぇだろ?」




ニヤリと笑って、上目にあたしを見上げる蓮は、確信犯。


あたしが何も言えないって、きっとわかってる。



< 65 / 378 >

この作品をシェア

pagetop