愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
お返し
「行くか」
温もりが離れて、だけど手を繋いだ。
忘れていたけど、今日は大河の誕生日。
明後日はタカの誕生日だ。
今日と明日の夜は宴会だって、誰かが言ってた。
「もう始まってるの?」
「あぁ。お前らおせぇから」
「そっか」
しばらく歩いて行くと、だんだん騒がしくなってくる。
着いたのは、来た時に荷物を置いた部屋。
中からは光が漏れていて、酷く騒がしい。
そう言えばここで宴会するんだっけ。
蓮は何も言わずに中へ入って行く。
手の繋がれたあたしもそれに従って中に入ると、そこは宴会用の部屋なのか、教室5個分くらいは軽くあると思われるくらいの大広間。
「でかっ」
だけどそんなあたしの呟きは、
「「「あ、おかえりなさい‼︎」」」
という面子の台詞で掻き消された。
「おう」
一言だけ返して、蓮は慣れたように一番奥を目指す。
私もそれに習ってついて行く。
「真梨ーっ!」
その声に吸い寄せられるように視線を向けると、こっちこっち、と手招きする菜穂を見つけた。
その周りには大河たちもいて、みんなで長く連なっている机の一番奥を陣取っていた。