愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
「真梨、寝るぞ」
あたしの様子に気づいたのか、蓮が声をかけてくる。
「蓮、別にここにいてもいーよ……? あたし一人でも大丈夫だし……」
「そー? あー……でもちょっと待って」
周りを見渡すと、みんなお酒が入っているのかほとんどの人が頬を赤く染め、楽しそうに騒いでいる。
その中に大河の姿を見つけて、部屋の隅に置いてあったカバンからある物を取り出して大河に駆け寄った。
「大河!」
「あ? 真梨? どうした?」
「はい、これ」
持っていたそれを大河に渡す。
「プレゼント。 誕生日おめでとう」
その言葉を言ったのは、大河で二人目だ。
一人目はもちろん菜穂。
口にすると、蓮たちに出会った日を思い出す。
その日が誕生日だったあたしに、みんながこの言葉を贈ってくれた。
あんな風に言ってくれたのは、菜穂以外で初めてだった。
だから。
少しずつ、返すよ。
今日がその、第一歩だ。