愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
過去 -Hayate-
【颯side】
実の父親のように思っていた人から聞かされた言葉に、一気に頭に血が登った。
「っざけんな‼︎」
思わず、そんな言葉を吐いていた。
俺は幼い頃、施設にいた。
正直、昔のことすぎてあまり覚えてはいない。
赤ん坊の頃に実の両親に捨てられた俺は、物心ついた頃に今の両親に引き取られた。
もちろん実の両親なんか覚えているわけもなくて。
俺の親は、今の母さんと父さんだけだって思ってる。
そのことは父さんだってわかってると思っていたのに。
「お前の実の両親から連絡がきたんだ」
そう言われた時、何を言ってるんだ、と思った。
だからなんなんだ、って思った。
どうでも良い、とさえ思った。
でも、父さんは違った。
その隣にいる、母さんも違った。
「お前を返して欲しい、と言われた」
は?
思わずそんな声が溢れた。
「一度会いたいそうだ」
いや、待てよ。
会って、どうなるっていうんだよ。
どんな面さげてそんなこといってきたんだよ。
今更。
俺の両親は、ここにしかいないのに。