愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】
颯の洞察力は本当に怖い。
嘘をついた、というよりも面倒臭くて言わなかったことすら気づく。
「颯こわ」
「それはどうも」
最高の褒め言葉だ、と笑う。
「……さっきのこと」
「え?」
「さっきのこと、蓮たちには言わないでよね」
「あー……、うん」
遠くを眺めながら、答える。
「……真梨ちゃんは聞き分けが良くて助かる」
「別に、」
興味ないだけ――言葉を飲み込んだ。
あまり、人の家庭のこととかには首を突っ込みたくない。
面倒臭いのは、基本自分のだけで十分だ。
そんな思いを知ってか知らざるか、颯が口を開いた。
「これは蓮たちも知ってるんだけどさ、見ての通り、俺はあの人たちの子供じゃない」
「そう」
「まあ、いわゆる養子ってやつだね」
養子――つまり、颯は本当の親に捨てられたってこと。
あたしと、一緒。
だけど、全然違う。
「真梨ちゃんと似たようなもの。 違う?」
「……違う」
あれ、驚いたように颯は声を漏らす。