愛して。Ⅱ ~不良俺様ボーイズ×絶世美少女~【完】



「どうしたらいいんだろうな……俺」



顔を上げた颯は、空を見上げて眩しそうに目を細める。

見えた瞳は、少し潤んでいる気がした。



「はは、つーかキャラじゃないよね……こんなの」

「別に……」

「え?」

「別に、ぶん殴ればいいんじゃない?」



ぼーっと、目の前を見つめながら言う。

横に座っている颯がこっちを向いたのがなんとなくわかった。



「もし会うなら、ぶん殴ればいいよ。 それだけのことを相手はしたってことでしょ、それは。
自分のしたことを悔いもせずやり返してきたり言い返したりしてくるような人だったなら、それまででしょ。
そうじゃなかったらきっと、無理やり颯を自分たちの元におこうなんて考えるような人じゃないと思うけど」



つまりは、颯が一番大切なのは今のお父さんとお母さんだ。

それなら、1発ぶん殴ったほうがむしろ効果的だと思う。

それを受け止められないような人なら、会う価値もなかったという事実が残るけれど。

でも、お父さんとお母さんの思いが、そして颯の葛藤がスッキリするならきっとそれがいいんじゃないか。


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