心の中で。
「あぁ、そう見えます?」


渡井君はそう言うとあたしの肩に手を回してきた。


「ま、まさかっ!違います!」


その手を振り払って、必死に否定した。




「美玲…ひでぇ~っ」


悪いとは思ったけど、何言われたって気にしない!

だって今…全然そんなこと考えられないの。



「そっか!良かった!あ、じゃあご注文どうも~っ」


そう言って立ち去ってしまった。




「ねぇ!今の人、美玲に気があるんじゃない?」


笑いながら早苗が言ってきた。



「まさか~っ有り得ないって!」


そんなはず、ないよ。

目が合った気がするだけだもん。



その話の間、横に座る渡井君はちょっと拗ねた顔をして座っていた。


………………………
………………


少しすると、料理が運ばれてきた。


「お待たせ。まずは焼きそばな!」


湯気が上がっていかにもできたてな焼きそばがテーブルの上に乗せられる。


「美味しそうっ!」

「「いただきま─すっ」」


みんなの声が、重なった。
< 101 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop