心の中で。
食べ終わって午後も遊んで、あっと言う間にもう太陽が傾く。



「そろそろ帰る?」


誰からともなくそんなことを言い出して、帰ることになった。




「美玲…ちょっと!」

みんなで帰ろうとしたときに、渡井君に引き留められた。



「わり!二人共ちょっと待ってて!」


「いいよ~ごゆっくり!」


笑顔で送り出す早苗と淳史。


も─っ人の気も知らないでっ!


あたしは渡井君が歩く方向についていった。


………………
………


連れていかれたのは海の家の裏。


渡井君はお店の人がいないかどうか、ちょっと確認しつつ



「なぁ…この前も今日の昼も言ったけど。やっぱり俺美玲が好きだ。…どうしても、付き合えない?」



いつもより真剣な表情でそう言った。




─本気なんだな─


そんな渡井君の気持ちが伝わってきて、あたしも本気で返事しなきゃいけない。

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