心の中で。
8.夏休みⅡ

side美玲

♪♪♪~


「あ、電話……」


2日に1度くらいの割合で、あたしの携帯はある人から着信がある。


「も…もしもし?」

「あ!美玲?俺俺!賢!」




そう。その相手は……賢。



いつも話すのはその日の他愛ない出来事。

あたしはベッドの上に転がって、ぼ─っと賢の話に耳を傾ける。



それがいつの間にか、日課のようになっていた。


「でさ~、俺………が、今日取れたんだよ!やっと!」



「え?ごめん何が取れたの?」


ぼ─っと耳を傾けるから、聞き取れないこともしばしば。


「お前~…また聞いてなかったのかよ!罰として明日駅前に10時な!じゃっ」



ツ─ッツ─ッツ─ッ



き…切られたぁっ!






2日に一回。

このペースで電話が来るようになったけど…会うのはあの海以来。





駅前…行かなきゃだめ…かな?

聞いてなかったあたしが悪い…よね。



そう思ってクローゼットから服を出した。


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