心の中で。

side賢

「よっしゃぁぁ!」



美玲を家に送った帰り道の車の中。

俺は今、心の中でガッツポーズしている。



勢いで誘ったデートで。


ただ、笑顔を見せてほしくて。


それだけでよかったのに…、心の中で押さえておくことができなかった。


つい…抱きしめて、そして告白までしちまった。


好きなやつがいる事も知ったし、振られることだってわかりきってた。





でも、ぼそっと聞こえた美玲の声は、

「ちょっと…考えさせて……。」

だった。





俺はもう、後悔なんてしたくない。

自分の気持ちに正直でいるって、決めたんだ。

心の中でだけ想うなんて、もう嫌だから。


…だから、心の中で誰かを想う、美玲に惹かれたのかもしれない。

俺が救ってやりたくて…







そんな自分に対する美玲の答えがそれだったら…




もう、喜ぶしかねぇだろ?
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