心の中で。
早苗、佐野先輩は想ってちゃ駄目なんだよ。


想うだけでいい、それだけは許されるって、そう思っていたけど…


それに限界を感じていたのも本当で。


そしてそんな自分を支えてくれていたのは、賢だったの。





色んな思いが頭をぐちゃぐちゃにする中、

とっさにでた、この言葉。




「ま、まさかっそんなことないよーっ!あたし、賢が…」




そこまで言うと、早苗に遮られた。



「嘘!」

「なんで、隠すの?自分の気持ち。あたしも敦史とのこと、最初言ってなかったから、言ってくれないのはしょうがないかなって、思ってた。だけど、聞いたら言ってくれるよねって…相談してくれるよねって…思ってたのに………。」



さっき、あたし、絶対言っちゃいけないこと、言ったんだ。


「早苗…ごめ…」


「もういいよっ!!」




プーップーップーッ


悲しい電子音に、あたしはただ、呆然としていた。
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