心の中で。
「痛い~…」



そう言って泣きそうになりながらも、すぐに立ち去ろうとする女の子。


うん、わかるよ。


1人で転んだときって、恥ずかしいしすぐに立ち去りたく、なるよね。






だけど…


「ちょっと待ってっ!」


思わず、呼び止めてしまった。



「え…なんですか?」


女の子は、怪訝そうに振り向いた。


「あのね、手のつき方がちょっと…気になって。ちょっとごめんねっ」


そう言って、女の子の右手首を少し掴んだ。





「……っっ」


少しだけど、顔がゆがみ、痛いんだなって、見て分かった。
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