心の中で。
「そっかぁ~っ良かったじゃん!なんかまわりみんなカップル誕生しそうだねっ」


嬉しそうに早苗が言う姿は、本当に可愛い。


ほんわかした気持ちになりながら早苗を見つめていると、敦史の方に向いてた顔を一気にこっちに向けて、





「でも…いいの?」


いきなり真剣な顔をする。


「………いいの。」


だって…賢が大切だもん。




辛かったあたしの気持ちを、見つけて助けてくれたのは、賢。


自分勝手なあたしに、たくさんの気持ちを伝えてくれて、そして支えてくれた。


佐野先輩は、尊敬する先輩。





「大丈夫!心配かけちゃったけど…ありがとね。早苗も、敦史も、渡井君も!!そろそろあたしは先に部活行きますから~っ」




ガタッ


そう言って教室から出た。
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