心の中で。

「あれ？今日は佐野先輩は…」




部活開始の時間なのに、佐野先輩の姿が見えない。


いつもは誰よりも早くきて、練習してるのに…


きょろきょろしていると、奈津先輩が話しかけてきた。




「哲也は今日から選抜の合宿よ。え～と…お正月までだから、１週間くらい帰ってこないみたい。」


「あ、なるほど！そうなんですか…大変ですね。。」


そっか。決まってすぐ合宿なんて…すごいな。


「まぁ、やる気みたいよ。家でもバスケバスケいっつも言ってるし。なんであんなにバスケ馬鹿なのかしら…」


ぶつぶつ文句を言うけど、そんな姿はまるで長年付き添ったパートナーみたいに見える。





いつか、あたしもこんな風になれるのかな…。


そんな気持ちで、奈津先輩を見ていた。