心の中で。
きっ、と保護者の方を睨みつけると、保護者の目は、みんな1人の子に向いていた。





………香奈ちゃん…?


ピ―――ッ


また笛が響くと、今度は互いにパス練習。


あたしは香奈ちゃんと組んで、


シュッ


一直線にパスをする。


パシッ


シュッ


パシッ


香奈ちゃんは、左手を庇って全部ボールをキャッチしていた。


楽しそうにボールをキャッチするたびに、決まり悪そうな顔で、えへへ…と舌を出した。





「ほら…やっぱり…」


保護者の話が、途切れ途切れに聞こえる。


もう、我慢できなかった。
< 190 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop