心の中で。
「…もうっ!なんなんですかさっきから!!一生懸命頑張っている子を、影で噂するなんて…。わからないんですか?噂されている子が、どんなに傷付いているか。もし自分のお子さんがこんな風に言われたら、どう思うんですか?」



息切れするほど、勢いでまくし立てて、



「な、なによあなた…」


「ちょ…ちょっと行きましょっ!」



体育館から、保護者たちは出て行った。




ふう…と一息ついて周りを見回してみると




ぽかん…



とした顔でみんなこっちを見ていた。




あ、まずっちゃったかな…?


「あは…すみません。………れ、練習再開しましょっ!!」


苦笑いで、なんとかその場を取り繕う。

だけど、香奈ちゃんだけはこっちを向いたまま、



「…ありがとうございます…」


涙目で、そう言ってくれた。
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