心の中で。
結局送ってもらうことになった。


…ていうか!普通に勘違い…しちゃうよ。あんなこと言われたら。


まぁ…そんなこと有り得ないんだけど。



暗いなか2つ並ぶ影を見ながら、ちょっと幸せな気分。

その気持ちの意味を、優勝の喜びでごまかそうとしてた。

でも、気付きはじめてる。

今だけ…



そう思いながら会話を探した。


「先輩一人暮らしなんてすごいですねっ」


「ん?あぁ。県内なんだけどすげぇ実家遠くて。でも絶対バスケやりたかったからな~。…まぁ一人暮らしにして学校近いしラッキーだな!」


ずっと淡白な態度だった先輩は、やっと楽しそうに語りだした。


「先輩バスケしてるとき、すごくかっこいいですよ。なんかキラキラしてます!」

自然に、素直な言葉が出てきた。

「なんだと?バスケしてるときだけか?」

ちょっと拗ねたように笑いながら、そう言ってあたしの頭をくしゃくしゃにする先輩。



かっこいいな…。

本当に、キラキラしてるんですよ、先輩。


あたしは、そんな顔してるかな?

学校が近い。制服が可愛い。

そんな理由で学校を選んだあたしだから……全然だよね。



なんだか先輩が…羨ましい。


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