心の中で。
…結局二回戦は逃げ切ることができた。

だけど、みんな不安になったみたい。


学校へ移動するバス。



…ずっと、車内は静まり返っていた。





「ここはキャプテンが…」

「相手チームのスタイルが…」



学校に着いてからは、みんな真剣に話し合う。

「…キャプテン。大体話し合ったら、実践練習しないっすか?」


そう言い出したのは…佐野先輩。




あの日以来、あまり目も合わせてない。

だけど、試合や練習の時、つい目で追っちゃうのは、やっぱり先輩なんだ。

避けてから、あたしは先輩好きなんだってもっと実感する。



だめだめ!今大事な大会中!

そう自分に言い聞かせて、先輩のことを考えないようにした。



その日は結局遅くまで実践練習。



でも…練習を終えた後も、選手の浮かない顔は、消えなかった。
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