心の中で。
この時、行かなきゃよかったかな?


…ううん。
そんなことない。



だって…あのときは確かに、
先輩に近づけた。



そう思っても、いいですか?…先輩。




どんなに辛くても、切なくても…

あのとき、あの時間は、私の宝物でした。




ガラッ


体育館のドアを少し開けた。


見えた姿は、


「やっぱり…………」


佐野先輩。




あたし…少し期待してたんだ。

もしかしたら先輩かも…なんて。



ダムダムッ

シュッ



走って、走って、シュートして。

肩を上げながらも必死で、真剣に練習をしている。





そう、あたしは最初から…先輩のプレーに惹かれたんだ。





コロコロ…………

ボールがこっちに転がってきた。
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