心の中で。
先輩がボールを拾いにこっちにやってきた。


や…やばい!覗き見してたのがばれちゃうっ



焦る私とは裏腹に、先輩はボールじゃなく、一直線にあたしのいる体育館入口に歩いてきた。


「ははっ…高崎か。な─に見てんだよっ!」

そう言ってあたしの額を指でつんっとつついた。


「あ、えっと、ちょっと部室掃除しようかなって思ったんです。…そしたら音が聞こえて。」




こんなふうに先輩と話すなんて、どのくらいぶりだろう。






嬉しい。






あたし先輩と話してるだけで、こんなに幸せな気持ちになれるんです。

先輩、知っていますか………?


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