心の中で。
体育館裏…?

体育館って聞くと浮かぶのは佐野先輩の顔。


もしかして…なんて思った。




このとき、もう歯車はずれ始めていたんだよね。






キ─ンコ──ン



一斉にみんなが帰りだすとき、あたしも体育館裏へ向かって、走り出した。





………………
…………


体育館裏につくと、見えた姿。

私の期待していた姿では…なかった。


「渡井君……」

「美玲!来てくれたんだ。」


渡井君は、いつもの笑顔で…そこに立っていた。


「こんなとこに改まって…どうしたの?」


「美玲…ほんと鈍いな。」

そう言って渡井君は笑い出した。






「────好きなんだ。」

唐突な言葉に、何も言えなくなった。


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