心の中で。
だけど、俺の足は立ち去ることを許さなかった。


見えた姿は…高崎と、後輩の渡井。




抱き合った二人の光景が、俺の目の前を暗くさせた。



そんなとき、


「ちょっ……離して!」


「嫌だ。」



そんな声が聞こえた。

もしかして、高崎…嫌がってんのか?

なら、とめないと!

そう思って一歩踏み出そうとした時、聞こえてきた…聞きたくなかった言葉。



「佐野先輩とは、付き合ってなんかない!あたしはマネージャーなんだから。選手みんな応援してるの。恋愛とか…あるわけないじゃん。そういう風にみてるわけじゃない!!」



聞かなきゃ良かった。

そう、思った。
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