心の中で。
あ、俺…今傷付いてる。

そうか、これが…「好き」か。




そう思うと、笑えてきた。


俺、馬鹿かよ。


今まで、気づかなかったなんて。


「好き」のサインは、俺の気持ちに、あんなに現れていたのに。






気がつくと、渡井は高崎にキスしようとしていた。


動けなかった足は自然に動き、声をかけていた…



「───そこまでにしとけよ。渡井。」


この一言で、抱き合っていた二人は離れた。


渡井の誤解を解くために、話した。


俺はもうやけくそで、思ってもいないこと。口から…でまかせ。自然に出てきたんだ。



「渡井、俺は今恋愛よりバスケに夢中だし、マネージャーをそういう対象になんか見たことねぇ。黙っててやるから………もうやめろ。」




違う。

高崎。

違うんだ。




本当は俺、


お前のことが………!



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