心の中で。
「もうっ!」


バシッ


元気付けなのか、急に背中を叩かれた。


「めそめそしないで次また頑張ろうよ。淳史に美玲も教わればいいじゃん!もうすぐ夏休みだし、景気良く海とか行こうよ」

そう言われると、なんだか楽になった。



「…そうだね!海行ってストレス発散でもしよっかなっ」




そうして海に行くことに決まった。だけど…




「あ!ちなみに海に行くのは美玲とあたしと淳史と渡井君だからねっ」




早苗がこう付け足したとき、あたしは笑えなかった。



まだ渡井君とはあれ以来会ってない。気まずくなったら嫌だなぁ…。せっかく海、楽しもうと思ったのに。





楽しみにしている早苗とは裏腹に、あたしの気分はどんどん暗くなっていった。

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