心の中で。
「…玲さん!美玲さん!!」


奈津先輩に肩を叩かれてはっとした。



「は、はい!」



いっけない、今、部活中だった~…。




「この紙に夏休み部活来れない日チェックしといてね。」



そう言って渡された一枚の紙。




気が乗らないとはいえ、行くことに決めたんだから。

そう思って、海に行く日にチェックをした。





ふと見ると、海に行く日と同じ日から、哲也先輩は1週間まるまるチェックをいれていた。



そしてまったく同じ期間、奈津先輩も。







どうして?


気にはなったけど、あたしには何も聞く権利がない。




あれから先輩とは、避けるでもなく、でも必要以上のことは話さない。

そんな関係。





わだかまりを残したまま、海に行く日はどんどん近づいていった────。



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