心の中で。
「ね─っみんなでビーチバレーやろっ!」
「うん…」
「な─っあっちの岩場行ってみようぜ!」
「うん…」
「美玲、ちょっと2人で泳ごう?」
「うん…」
みんなに言われるがままに連れていかれるあたし。
佐野先輩と奈津先輩…。
頭にぐるぐる回って離れない。
こんなときやっぱり、先輩を好きなままなんだって、実感する。
「このあいだはごめん。だけど美玲、俺と付き合ってくれる気になった?」
生返事ばかりしていたら、いつのまにか渡井君と二人きりだった。
「え、あ、何?」
上手く答えられない。
だって今は別のことで頭いっぱいで…
「二人共─っそろそろあそこの海の家でお昼食べよ!」
ちょっと遠くで早苗と淳史が海の家を指さしていた。
「あっほら、渡井君!呼んでるから行こう?」
なんとか早苗の一言に救われて、海の家に向かった。