IMITATION LOVELESS


「悪かった…。 言いたくないなら、言わなくても…」


言葉を遮るように憐は刹那の唇と自分の唇を重ね合わせる。
瞬間の温もりに刹那は驚いた表情をした。


「憐…」


憐は起き上がると、ベッドから降りてくるり、とその場で回った。

優夜と刹那も上半身だけを起き上がらせる。


「二人とも……僕のこと、嫌いにならないで…くれる?」


憐は二人に背中を向けたまま寂しそうに呟いた。
憐の言葉に二人の召使いは頷いた。

横目でそれを確認した憐は、首に飾られているコサージュを取り、スカーフをほどく。


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