IMITATION LOVELESS
『姫様、こちらが新たな召使いの優夜と刹那になります』
少女は大きな瞳に蒼髪と紫髪の青年を写し込む。
『刹那です。 こっちは幼馴染みの優夜です』
『優夜…です』
††††††
憐は話が終わったのを伝えるように瞼を開く。
その瞳は涙で潤んでいた。
「ま こんな感じかな…? 僕の産まれた訳と二人が来るまでの流れとしては、」
憐はドレスを拾い上げ、胸元で大切そうに握り締めた。
「だから、初めて合ったとき寂しそうな顔してたんだ…」
「谺と魑に睨まれた訳も解ったな…」
二人は憐を優しく包み込むように抱き締めた。