IMITATION LOVELESS
そのしなやかで柔らかな素肌はまるで血が通っていないように冷たかった。
「優夜…? 刹那…?」
二人は一言も喋らなかった。
しかし、抱き締められている腕の温もりで何かを感じ取った憐はそれ以上、何も言わなかった。
暫くすると優夜が小さく囁いた。
「憐の肌はあの青い薔薇みたい…」
憐は首を傾げるが、刹那には伝わっているようだった。
「あ、雨…」
窓に打ち付ける水の音に憐が窓を見る。
真っ暗な曇天から降り注ぐ雨、何かを案じているようだった。
「…【人の模造品である僕は二人とは違う…―。】」
憐の呟いた言葉を瞼を下ろしながら聞き入る二人。
「【それでも…ずっと、一緒に居たいと願うのは…僕の我儘…―。】」
憐の言葉を遮るように刹那と唇が重なりあう。
深く求め合うように…。
―別れの日まで、後
【4日】