IMITATION LOVELESS
薔薇園で一人手入れをしていた刹那はプランターに植えられている三色の薔薇を見つめる。
三人で撮った写真。
思い出すだけでも笑いが溢れた。
しかし、ふと思い出す。
今は平和に過ごせているがあと3日もすれば憐を自らの手で殺めなければならない。
そう考えると刹那の瞳から一筋の雫が溢れ落ちた。
「っ!」
突然、指先に感じた鋭い痛み。
見ると右手の人差し指から血が滲み出ていた。
手近の薔薇の棘にはうっすらと血痕がついていた。
目を細めたとき、優夜の微かな声が聞こえた。