IMITATION LOVELESS


「…ごめんね。 僕の周りって、危険な人達が一杯居るから……」

「……気にしません」


刹那が微笑みを返したが憐は俯いたまま顔を上げようとしない。

優夜は蜩が去っていった廊下を見つめている。
顔を一瞬歪ませると拳を握り締める。


「ねぇ 姫様、あの蜩って奴、もしかして弓矢の達人だったりする?」

「え…? うん…そうだけど………知ってるの?」


憐がようやく顔を上げたときには優夜の顔は優しげな笑顔に塗り替えられていた。


「気にしないで? 聞いてみただけだから」


優夜は憐の前に歩み寄り、優しく抱き締める。
笑顔のまま憐の耳に噛み付いてきた。


「きゃあああ!」


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