IMITATION LOVELESS
二人は驚いて言葉を失う。
「もう、優しくするのはやめて…、どうせ…一緒に居られないんだから…」
憐は優夜の服を握る力を緩める。
肩を震わせながら首を振る。
「二人が…、優しくしてくれるだけ…離れたくないって、思うから…」
二人の優しさが憐を悩ませていた。
その感情が一気に溢れる。
「優しさの数だけ…君を傷付けてきたの?」
憐は、はっと顔を上げた。
心から深く傷ついた二人の顔を見た。
優夜と刹那は頬を伝う涙が自分の胸を締め付けていることに気がつく。
二人の表情と涙に憐は言葉を無くしてしまった。