IMITATION LOVELESS
一筋の涙が憐の頬を濡らす。
「……ごめんなさい、僕…」
憐の涙がドレスに落ちてシミを作る。
優夜と刹那が戸惑いがちに手を伸ばした瞬間、憐が二人の腕に抱き付いてきた。
「憐…?」
「どうした?」
カタカタと震える憐の肩に触れることを躊躇っている二人。
眉を潜め、行き場のない手を握ったとき憐が呟いた。
「いや……二人と、ずっと一緒に居たいよ!」
憐の叫びに二人の瞳から再び涙が溢れた。
刹那が憐を力強く抱き締めた。
空いた背中に優夜がそっと抱きついてくる。
「【あなたの瞳の奥に感じる悲しみは…取り除いてあげるから…―、】」
「【もう、そんな寂しそうな顔はしないで…―。】」
三人は日付が変わる寸前まで互いの温もりを別け合っていた。
―別れの日まで、後
【2日】