IMITATION LOVELESS


「二人が僕を殺してくれるから……」


憐は儚く笑うと二人から離れる。
しかし 刹那に腕を掴まれ二人の胸の中に収まってしまう。


「さっき…言ったな…、俺達の夢を叶えてくれると…」

「そんな憐には無理かもね…」


優夜が上着を憐に被せながら囁く。


「俺達の夢は…一つだけ、」


優夜の腕が憐を抱き締める。


「今の憐じゃ、叶えられない……でも…」


刹那も憐を大切そうに抱き締める。
それが合図の様に二人が鮮やかに、美しく笑った。


「「憐と過ごしたこの鮮やかな季節を、忘れないように…心と体に刻み付けたい」」


< 159 / 192 >

この作品をシェア

pagetop