IMITATION LOVELESS


双子は再び手も見えないほど長い袖で口を隠してニヤニヤと笑っている。

その不敵な笑みは優夜と刹那を完全になめている証だった。
刹那はその事を読み取り、腰に下げている剣の柄に手をかける。

双子は顔を真顔に戻すと高い下駄をカラン、と鳴らし刹那から間合いをとった。


「随分と 俺達もナメられたな」

「刹那 やる気?」

「おー お二人さんの実力を知るにはいい機会だねぇ~」

「…ま 憐の召使いだし? それなりの実力が無いと御払い箱だよ…」


谺は長い髪を手で靡かせ、刀を素早く抜く。
その時、長い袖や鮮やかな装飾がまるで花弁が舞っているような幻想的な雰囲気を作り上げた。


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