IMITATION LOVELESS
憐はカップの中で揺らめくミルクティーを見ながらため息をついた。
目の前に座っている双子は朝ごはんを頬張りながら憐を見た。
「ほおひはほ?」
(どうしたの?)
憐は寂しげに笑うと首を振る。
「姫様、蜩様が及びです」
「蜩?」
憐は刹那を連れて蜩の待つ廊下に向かった。
帰ってきた憐に双子は顔を上げた。
「なんだったの?」
「今日は民の皆が随分騒がしいらしいよ…」
「気を付けろよ?」
魑が紅茶を啜りながら憐を見た。
アクアマリンとエメラルドグリーンの瞳が光る。