IMITATION LOVELESS
「ありがとう 魑。 そういえば、刹那…」
「……」
「刹那?」
憐が刹那に振り返るが、何かを考えている素振りの彼は眉を歪ませていた。
「刹那…」
固まっている刹那に優夜が声をかける。
刹那が優夜に振り替えると小さく頷いた。
「谺、魑 憐を頼む…」
「おねがいね?」
二人の召使いは小さな姫様を双子に預けると、部屋を出ていってしまった。
その時の顔は、何とも言い難い表情だった。
「…そういえば~、憐 人間になったんだ~」
「おめでとう…」
双子は優夜が作っておいたデザートを口に放り込みながら祝福した。
「かわいいよー?」
「うん かわいい」
双子はデザートを食べ終わるとにっこり笑う。
憐は頷きながら膝の上に置いてあるぬいぐるみを抱き締めた。