IMITATION LOVELESS
双子はドコからか取り出したスカーフを首に巻くと、いつの間にか持っていたマントを憐に被せる。
「憐姫、よくお聞きください」
谺とは思えない真剣な声と瞳に射ぬかれ、憐は頷く。
「これから、姫反対派の庶民が貴方様を殺しに参ります」
「それを防ぐように私達が申し遣った為、貴方様をここから逃がします」
「……え」
谺と魑の真剣その物の態度に憐はどう反応するか悩んでしまった。
「勿論、逃げた先でも私達が姫をお守りします」
魑が憐に跪き、頭を下げながら呟いた。