IMITATION LOVELESS
ヒュン…
空気を切る音。
「あ…」
憐の足元に散らばる矢の破片。
瞳に映る蒼と紫の髪の毛。
愛しい香り。
「優夜…、刹那…、」
「大丈夫?」
優夜が力を無くし、座り込みそうになる憐の体を支える。
憐の瞳から紅い雫が溢れる。
流れてしまう寸前、刹那が人差し指で雫を拭う。
「……まだ 逃げてなかったのか」
二人の表情が曇る。
憐がここに居ることに不満を持っている顔だ。
「優夜…、刹那…、どうして? 二人が僕を殺してくれるんじゃないの?」