IMITATION LOVELESS


憐は震える手で二人の服を握りしめる。
憐の潤んだ瞳を見ることが出来ない優夜と刹那は俯いてしまう。

目を合わせて貰えない寂しさに憐の頬に血の雫が伝う。


「……」


「「憐!!」」


蜩の後ろから谺と魑が駆け寄ってきた。
蜩の姿を見た双子は急いで憐に駆け寄る。


「早く…! 直ぐそこまで民が迫ってる」

「優夜、刹那 憐を抱えてでもいいから連れてこい!!」


魑が抜刀する。
その瞬間、魑の服の装飾が舞い上がり幻想的な雰囲気を作り上げた。


「ち……、悪魔の双子か…」


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