IMITATION LOVELESS


扉を開け、谺と魑が通路内を確認する。
異常が見当たらなかったため、双子は憐に手を差し伸べた。


「…行こう 憐」

「優夜と刹那を困らせるなよ…」


双子は寂しげに笑う。


「優夜…、刹那…」

「……憐」


黙っていた刹那は憐の髪を優しく撫でながらきつく抱き締めてきた。

優夜も愛しい憐を包むように腕を回す。


「ごめんね…? 俺達じゃ 憐を殺せない…」

「だから…俺達の夢を叶えて欲しい…」


二人の言葉に憐は瞬きを繰り返す。


「二人の夢って… 叶えられないんじゃ…」


あの時の会話を思い出しながら憐は囁いた。


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