IMITATION LOVELESS
刹那が寂しげな笑顔で憐の腕に何かを抱かせる。
「あ…、ぬいぐるみ…」
「ずっと 一緒には居られないなら…、繋がりが欲しいよね…?」
優夜が憐の左手に何かを握らせる。
硬く、ごつごつした感覚。
手を開くと、三人の絆、ロケットが置かれていた。
「優夜…、刹那…」
二人は入口に立っている谺と魑めがけて憐を押し飛ばす。
「きゃ!」
「二人とも 俺達のお姫様を頼んだよ…?」
「しっかり 護ってくれよ? その 一輪の華を」
優夜と刹那は足音が近付いてくる廊下の奥に向き直ると、呟いた。