IMITATION LOVELESS
「行くよ 魑…!」
「わかってる 谺…!」
双子は瞳からこぼれ落ちそうな涙を必死に堪えながら、憐を引っ張り 入口に駆け込む。
「いやぁあ!!!
優夜ぁ!! 刹那ぁ!!」
憐の悲痛の叫びを遮るように、入口の扉が乱暴に閉ざされた。
「……っ」
「優夜…、泣いている暇はない」
刹那は涙を堪えている優夜に一喝すると、剣を構えた。
「…ここを 護るのが 俺達の召使いとしての、…最期の仕事だ…」
「……ん」
優夜は涙を拭うと、刹那の背中に自分の背中を合わせる。
そして、瞼を閉じ顔を上げる。
「バイバイ…、俺達のお姫様…」
優夜と刹那の頬に、一雫の涙が流れた。